> > > 『昭和天皇の終戦史』を読んだ

『昭和天皇の終戦史』を読んだ

  • Posted by:

通勤時間をパズドラに取られて、読書時間がめっきり減ってしまいました。

他に読んでる本が無くはないので記事にしたい所だけど、記憶からどんどん溢れ落ちていく...

 

今回読んだのは歴史本...と言っていいのかな。

一昔前 でしかない "昭和" を "歴史" と見れるかどうかは、世代によりそうな所である。


俺は日本史に疎いのだけど、近代史にも疎い。

知っている事があまりない。

 

何かマメ知識っぽいのを Wikipedia なんかを眺めていて知るのは好きなので、

この時代の昭和天皇のちょっといい話しもよくトリビア感覚で見かける。

 

その流れでもっと色々知りたいと思い参照元の書籍として上がってた本を買おうとしたけど、高い。

変わりに、レコメンドされてる本が中古で安かったので買ったんだけど

まったく別ベクトルの本だったw

 

まぁでも内容は興味深く面白かったです。

『昭和天皇の終戦史』 吉田 裕

"昭和天皇独白録" というのをご存知だろうか。

俺はこの本で目にするまで知らなかった。

 

昭和天皇の崩御後である1990年に公表されたもので、戦後まもない昭和21年頃に5人の側近によって記述された 昭和天皇が語った独白を纏めたもの。

第二次世界大戦のきっかけになった話しどころか、それ以前の満州事変やノモンハン事件なんかに対する話しや、当時の各内閣や陸軍・海軍の人物に対する評などが書かれている。

 

まぁ そもそも近代史に疎い俺として へーそんなんあったんだ みたいな感じだが。

(そもそも俺等の世代って天皇に持ってる具体的なイメージって多分あんま無いのよな。

(皇室の特番でチャンネルが埋まってても、TV東京系だけはアニメやってくれるしな!

 

まぁそれでもトリビア的な記事を拾い読みしてる分には、ほんとに聖人みたいな人だったんだなぁという印象を持ってたんだけど、

独白録に書かれている 肉声 を拾っていくと、そうゆうイメージはガラッと変わる。

 

で、まぁそれが本の内容だったら ただの独白録の本なんだが、

この本はその公表当時に歴史家達に衝撃を与えたこの独白録の内容が 全面的に信頼できるものではなく、

実際には多分に政治的な意図を含んで書かれているものだ というお話。

 

それを重箱の隅を突くような事実との相違の列挙に終始するのではなく、

この独白録が作られる前に実際 戦中に誰がどのような思想を持って動き、

どういう対立関係があり、どういう利害関係があったか  みたいなのを順を追ってそれが記載された膨大な資料を参照し解説ながら噛み砕いて説明していってくれていたので大変分かりやすかった。

 

とくに東京裁判に関連する記述では、80年代以降にアメリカ側が公表した資料を元に、元来言われていた弾劾裁判であったという批判を全面的に否定するような内容になっていて興味深い。

というか、これに関しては 資料の公開時期 考えると完全に既出な話題なんだろうけど、

映画とかそういうのから得てるだけの知識は完全に古いもののままだし、専門に解説した本を読んでみたくなった。

 

最後に今まで我々が持っていた歴史認識として著者が記述してる一文を引用しておく。

すなわち、一方の極に常に軍刀をガチャつかせながら威圧をくわえる粗野で粗暴な軍人を置き、他方の極には国歌の前途を憂慮して苦悩するリベラルで合理主義的なシビリアンを置くような歴史認識、そして、良心的ではあるが政治的には非力である後者の人々が、軍人グループに力でもってねじ伏せられていくなかで、戦争への道が準備されていったとするような歴史認識である。

このような歴史認識に心当りがあるなら、この本 もしくは類するような本を読んでみると面白いかもしれない。


そんなにぶ厚くもない新書なのでサクッと読めたが、やっぱり 当時の時代を取り上げた映画や漫画、Wikipedia の記事を追ってる程度じゃ知らない事(というか真逆に認識してる事)が山程あるんだなぁ という感じなので、

近代の研究成果を反映して書かれた日本の通史みたいなのを読んでみたいなぁ。

Comments:0

コメントする

Trackbacks:0

Home > 趣味 > > 『昭和天皇の終戦史』を読んだ

Search

Return to page top