言わずもがな、SFの超著名作ですね。
ハードボイルド云々の時にも書いたけど、自分が読んできたジャンルってかなり偏ってんだなーと思います。
ミステリにせよ、王道的な古典にあたる本を全然読んでなくて、その辺を教養として読んでいきたいなぁと思っている次第。
今回これを選んだのは、1つ前に読んだ『僕の妹は漢字が読める』の後に、何か読後感を払拭するものはないかと探した結果といった感じですかね。
丁度kindleに突込んだまま放置してあったってのもあって、さくっと読みはじめた。
最終戦争の後、地球は死の灰に覆われていた。
人類の多くは母星を捨てて他の植民惑星に移り住んだが、死の灰に覆われようとも、産まれ育った星を捨てずに生きている人々がいる。
地球に残った人々は情調オルガンで自分の感情をコントロールし、疑似体験をともなう機械操作により宗教体験を自信のものにする。
タイトルの電気羊というのは機会仕掛けの羊の事だ。
殆どの動物が滅び去った地球では、生物全てが貴重なものとされ、誰だって敬虔なマーサー教信者として1種は動物を飼っている。
それでも動物は貴重な存在で高い、近所の目を避ける為に機会仕掛けの電気動物を飼っているフリをする。
しかし回りは騙せても、自分は騙せない、、、
(SFのレビューは今迄ほとんど書いてないけど、どうにも粗筋以前に設定の部分で膨大になるね。
これらの情報は作中では冒頭からガンガン語られていくのだが、非常にすんなり世界に入っていける。
40年以上も前に書かれた未来の図とは思えないくらいリアルだ。
劣化しない不滅の名作ってのはこういうのを言うんだろうなと思える。
あらすじまで踏み込むと、主人公は警察機構に属する賞金稼ぎで、植民惑星を違法に脱出し地球に侵入したアンドロイドを破壊するのが仕事。
どこまでも人間に近くなっていくアンドロイド。
自身がアンドロイドと知らないアンドロイドや、そんなアンドロイドよりもアンドロイドっぽく見える感情に欠落を持った他の人間。
最後は自分すらも信じられなくなっていく主人公。。。。。
今更俺が何か言うまでもなく語りつくさてる作品なんだけど、
むしろそういう古典的な部類に入りそうな作品が、SFを全然知らない今の俺が読んで斬新と感じられるというのが凄いと感じた。
それだけ今のSFに触れてないって事なのかもしれないけどね。
しかし、レイチェルみたいなアンドロイドもらえるんだったら喜んで移民するわ( ´-`)
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