『エレGY』という小説を読んだ。
著者は泉和良。
つい最近星海社文庫から発行されて、表紙絵がhukeさんで話題になったりしてる。
主人公は生活に悩む自称フリーウェアゲーム作家の泉和良。
著者その人。
完全なノンフィクションではないけれど、一見して私小説みたいな体裁をとってる、切ない恋愛ものの小説。
この小説自体の初出は3年も前で、『パンドラ Vol.1 SIDE-B』って結局Vol1しか出なかった雑誌に掲載されてた。
そしてそれが泉さんの小説家としてのデビューだった。
俺はその雑誌を買ってたので一度読みかけてはいたんだけど、その時は冒頭数小節を読んだ所で手をとめてしまった。
面白くなかったから、、、ではなく単純に裏側を知るのが怖かったから。
この作品が実話を元にしている通り、著者の泉さんは実際にフリーウェアゲーム作家として活動していて、アンディーメンテというサークル名で「あばたえくぼ」(現「まおうせい」でいいのかな?)というサイトを運営してる。
俺は高校の時にじすさん(泉さんのHN)の作った『ミサ』というゲームを遊んで、アンディーメンテの世界にハマってファンになった。
好きなゲームは『ミサ』『スターダンス』『ガニュメート・ストレス』『助けて!!!』『きせきの扉』『SISTER』『グージーグージーダンジョン』あと『クーラー大嫌い』
ってか上げていくとキリがないんだけど、高校時代ずーっと遊んでた。
アンディーメンテでやってる通販を何回か利用した事もあって、CDも12~13枚くらい持ってます。
(じすさんは多才な人で、"ジェバンニP"の名でボカロPとしても活動されてたりする。)
今も新作が出ると高校時代からの友人(ってか先輩)である夢鍛冶屋と「じすさんの新作出てるぞーー!!!」みたいな会話をしてるんだけど、数日スコアの話しとかしながらプレイしたら忘れていってしまっていて、もう熱心なファンとは呼べないかな。
まぁそんな緩くとも長くファンを続けてる人間にとって、幻想を破壊されるというのは恐怖である。
さて、この小説のあらすじをちょっと紹介する。
作中に登場するのはサイト上でファンに神格化されている作者というキャラクター『ジスカルド』ではなく、フリーウェアゲーム作家を本職にしたが為に生活に困窮する泉和良。
そんな主人公の前に現れたアンディーメンテゲームのファンである少女エレGY。
彼女はあくまでもジスカルドのファンであり、泉和良が好きなわけじゃない。
現実に泉和良を知ってしまうと、彼女の想いも冷めてしまうだろうという恐怖にかられながらも、彼女の持つ光に惹かれ彼女を遠ざける事ができない。
そんな主人公の葛藤を他所に、二人の関係は加速していく。
設定が特殊にしても恋愛ものとしての構図はありがちなのかもしれない。
でも凄い切ない良い小説で、そして何より読んだ人に『光』を与えるような小説だと思うよ。
俺の場合ケースが特殊すぎて、共感できないかもしれないが。
3年前に読む事ができなかった小説をやっと今になった読んだわけだけど、知るのが怖くて読めなかった自分が情けない。
読みおわって、色々とかつてのアンディーメンテファンだった頃の思いが蘇えってきた。
あの頃俺は面白いフリーゲームを見付けて遊んでは、先輩と自分達が作るゲームのネタを毎日毎日話しあってた。
元々ゲームが作りたくて情報科のある高校に進んで、専門もそれ系の所に進んだ。
実際に個人でゲームつくったりはしてたけど、結局完成に至らず日の目は見る事がなかったし、実際にバイトでアーケードの子供向けのゲーム開発に関わったりもしたけど(ひょんな事でバイトなのにメインプログラマだった)、ゲーム系仕事にするのは無理だなーと思ってWEB系に流れてしまった。
ただただ、ゲームネタが書き込まれた黒歴史ノートが増えていくだけ。
そして今でもゲームを作りたいという思いは捨てきれていなくて、黒歴史ノートはgoogle docsに形を変えつつも増え続けてはいるのよね。
この本を読んで勇気が貰えた。
もうずっと錆びついてたフリーゲーム魂がまた燃え盛ってきたので、何か作ろうと思ってます。
今はとりあえず携帯端末向けの練習にAndroidアプリの開発環境整えてゲームつくりはじめました。
習作として簡単なアプリをって事なのでまだ黒歴史ノートは紐といてないけど、作りたいものをガンガン作れるようになりたいな!
┗|┳|┛<ウオオオォォォ!!!
やるぞぉぉぉ
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