映画みてきた記事が続きます。
10日間で4本ててすげー映画みてる人っぽいけど、実は半年で6本とかなので、偏りすぎてるだけだった。
活版の記事の続きは写真入手できなかったので、また先延し延しです。
さて、今日は会社帰りに高校時代の友人と待合わせて『英国王のスピーチ』を見てきました。
タイトル以外の前情報を一切みてない状態で見に行くってfacebookに書いたら
『英国王が謎の生物「スピーチ」と契約して魔法国王になるものがたり。』
とか
『中世のイギリスに桃の酢漬けを作るのが趣味の国王が居て、フランスの国王と漬物対決をする』
とか
『英国王がスピーチと呼ばれる仮想空間でサングラスをかけて大暴れする痛快アクション』
とか色々ネタバレ食らってたけど、全部嘘だった!
英国王のスピーチ
この映画のスピーチというのは、謎の生物でもなければ、漬物でもなければ、仮想空間でもなく、
文字通りのスピーチです。
でもスピーチには日本語だと演説のニュアンスしかないけど、英語だともう一つ「話しぶり」的な意味があってダブルミーニングになってるらしい。
素敵。
日本だと皇族が演説をするってのがあまりないし、感覚的によく分からないんだけど、
英国ではクリスマスに国王がラジオでスピーチをする、とかそういうのもあたり前だったりするようです。
(まぁイベント的に扱われる日本のクリスマスと違って、キリスト教国家では国をあげての儀式であるのだろうけど)
まぁなんつーか、国王サービス業ですね。
この映画は吃音に悩まされる国王が、家族に支えられて、その障害に立ち向う(克服するのではない)という主題を軸に、言語障害専門の治療家であるオーストラリア人のローグと国王の友情の物語が描かれてます。
パンフレットとかをみていると、善良王とまで呼ばれ、多くの人に愛され誰もが知っているジョージ6世と、イギリス人にもオーストラリア人にも殆どその存在を知られていないローグの話しというのが、対比的で面白い的に書いてる。
でもぶっちゃけると、日本人で英国王室にあかるくない身からすれば、ジョージ6世についても知ってる事なんて殆どない。
逆に作中ですげー悪者のように書かれてる兄(エドワード8世)の方が、TVでは愛に生きる事を選んだ美談として出る機会もあるのでまた知ってる方かも。
でも、この映画は複雑な時代背景や複雑なお国柄がバックにある割にはそんな知識は一つもなくていい。
あったらそら面白いだろうけど、この美しい友情の物語はそんな時代背景だとかそういうのを超越した良さがある。
日本だと皇族を神格化(というか神と同義のものとして考える)してきたのもあって、そういう尊い存在を自分に置き換えて考えるってのがあんまり出来ないんだけど、
この映画では恋をして公務を放棄する兄もいれば、コンプレックスにより王位を継ぐ事におおいに苦悩する弟もいて、王族というものが人でしかないってのを意識させられる。
ってか、王族は国民に人気を取らねばならないものだ、英国王室は会社のようなものだ、という会話さえでてくる。
遠い異国のよく知らない王室の話しだからって身構えなくても、これは人と人の物語だ。
まぁネタバレっぽいの書くの嫌だから、あんまり中身の事は触れられんのだが。
二人の会話がほんとにウィットに富んでいて、こーゆー会話できるような素養うらやましいなぁと惚れ惚れ。
全体的に無駄がなくて、美しく綿密に積み上げられた物語だったので全編遠して良かったのだけど、特に印象に残っているシーンをあげると
・即位した日の邸宅で娘達に抱擁を求めた時、二人がとった陛下に対する礼。
この時の二人の表情が絶妙で絶妙で。
これ母親に「陛下」って呼ばれるエドワード8世と被せてあるのよね。
・戴冠式の予行練習前の会話
ここで「王の言葉だ」と言いきるシーンが印象的だった。
でもあれ、公式サイトの予告だと「伝えるべきことがあるからだ」になってて、本来どっちのニュアンスなのかよくわからんね(激昂してていまいち聞きとれないし、、、)
・最後の最後まで出てくる、お互いの呼び方についての駆け引き
そしてやはり
・最後のスピーチのシーン
と、その後の『w』についての会話。(これ実話らしいね)
うーん美しかった。
しかし主題がスピーチなのもあて、英語のリスニングが出来れば二重に楽しめたのかもしれないなぁとも思ったり。
でも二人がジョークを言いあう所や、印象的なシーンの翻訳は日本人にも分かりやすくて絶妙な出来だと思った。
パンフにも乗ってるけど、日曜に見てきた『瞳の奥の秘密』のDVDのCMが予告編に混じって流れてた。
そして土曜に見た『カティンの森』、これ独ソがポーランドに侵攻する所から物語が始まるんだけど、
最後のスピーチでドイツに宣戦布告するのって、まさにここの話しだよなーというので丁度繋がっておもしろかった。
カティンの森事件調べるのに、ポーランドの歴史調べてたので背景セットで楽しめたw
まぁやっぱり、その国々でもってる基礎的な知識や教養を文脈として、作品を楽しむ事ができるのがいいなぁ。
もっと世界史勉強しないと。。。
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