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身近に触れる活版印刷(1)

「活版印刷ってご存知でしょうか。」

とかいう書き出しでblog書き始めたんだけど、これ本来身内向けの日記だよなぁみたいな事を考えると気持ち悪い書き出しだなと思ったり思わなかったり。

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さて。

活版印刷ってご存知でしょうか?


自分の世代だととんと馴染がないのだけど、古くからある印刷手法の1つで、上の写真のように文字1つ1つの判子みたいなのを並べて、それにインクを乗せて印刷する感じ。

個人的には宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に出てくるのが印象的だったので記憶してた。


最近それにふれる機会があったのでblogに書きたい。


活版印刷所の見学

事のおこりは去年の春先、かじさん(@kaji2)にこの記事を教えてもらったのが発端。

明晃印刷株式会社:工場見学へ行こう!ブログ

そして社長さんが@meikoprintってアカウントでtwitterで活動されてるって事を知ってとりあずフォロー。

でもその時は、さすがに他業種の俺が見学にいくわけにもなぁという引け目もあって特に動いてはいなかった。(気軽に来てねってRTいただいてたんだけどね。


でまぁ話しが飛んで去年の秋頃、講談社系の星海社って出版社がやってる最前線ってサイトがあって、そこで坂本真綾さんが『銀河鉄道の夜』の朗読を放送するってのがあって、放送前に目通しておこうと思って久し振りに銀河鉄道の夜を読み直した。( 『坂本真綾の満月朗読館』 | 最前線 )

読んでてやっぱり見学にいきたいってなったので、twitterで@でお願いしてみたらすんなりOKが出たので、嬉々として見学にいってきた!

感謝感謝!



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大阪は福島区という所に明晃印刷さんの工房(?)があります。

ビルそのものも凄い年季が入っていた。

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ご挨拶をして中に奥へ通していただくと、そこにあったのは大きな作業台と所狭しと並んだ印刷機械。

そして活字の並んだ棚。


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凄い量の文字の数だった。

写真に写ってる段が横にすげー続くんだけど、これが縦に数段あって、さらにこの棚スライドするので裏に何段も文字が重なってる。

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ほんとに凄い量。

同じ文字でも沢山用意されてる活字や少ししか無い活字もある。

新聞とか1ページ印刷するにしても、『は』や『が』みたいな接続語やら、漢数字や『()』とかが沢山出てくるから偏りがあるらしい。

『株』とか多くなるほどなーと思った。

あと見出しとか注釈とかルビとか、文字には沢山サイズや字体が必要なので同じ文字でも違うのが沢山ある。

調べてて世界の活版の歴史に比べて日本の活版の歴史って意外と浅いんだなぁと思ってたけど、この文字の数を見ると頷ける。

海外はアルファベットがあれば作れるもんなぁ(その変わり1ページに莫大な量同じ文字が出るが)


こいつらを並べて組版を作るわけだけど、文字や罫線だけじゃページは作れない。

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文字には適切なスペースが入る。

これらを含めて上記のような1個の組版をさささっと作ってしまえる職人さんはもう殆ど残っていないらしい。

この写真だと、隙間用にいれられている鉄(『込み』というらしい)同士にも隙間が空いているようにみえるがさにあらず。

この込み同士の隙間に見える所には細ーーーい込みが挟まっていて、この組版を動かしても文字は一切ブレない。

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でも今や活字を並べて印刷するようなお仕事は減っているとの事らしい。

仕事が減るので職人さんも減るし、職人さんが減るので出来る所がなくなっていく。


じゃぁ今活版を使う物って全然ないのと思えばそんな事はなくて、その暖い風合いが好きな人達が名刺や結婚式等のイベントの案内等で利用されてるみたい。

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こんな感じのアルミの板をPCで作成したデザインから生成して印刷する感じになるので、

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こんな感じのキャラクター系のイラストでもいけるらしい。

うちのペンギンのイラストでもいけそうだなぁ。。。


実際に印刷する所も見せて頂いた。

動画を撮らせてもらったので、これ見てもらうのが一番分かりやすいかな?



印刷する紙をエアで吸い寄せて、インクの付いた組版に押し付ける。

これの繰り返し作業なんだけど、インクが擦れないように1押しする度にインクを乗せる工程も自動化されている。

もっと大掛かりなものもあったり。


どれも年季が入っていて、大切にメンテされて使われてるんだなぁ。


その後、社長さんに色々お話を聞いたのだけど、家業を継がれたのは近年の話しで、色々と面白い事業をやられてる方だった。

移動式のパン屋さんの事業を東京で展開されたり、全国小学校サイトと連動してる学校ニュースポータルサイトを展開されたり。( 地球島ニュース! )


色々お話を聞かせていただいて、ほんとに楽しかった。

お客さんが来られたので、追加で写真を(ガンガン)撮らせていただいてから退散いたしました。


さて、この話しには続きがあるんだけど、長くなったのでエントリを分けよう。

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