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『セドナ、鎮まりてあれかし』を読んだ

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ハヤカワSF文庫の本を読んだのはこれが初めてかも。

他の文庫よりもちょっと背高のっぽさんで、愛用してるいくつかの文庫カバーどれにも入らなくて難儀した。

最終的に有隣堂の紙カバー使いましたが、ほんとに質が良くていいですね!


さて、普段SF読まないのに何故手に取ったかというと、以前記事を書いたエレGYと同じ著者、じすさんこと泉和良さんの作品だからです。

小説ではSFにあまり触れないけど、じすさんのゲームの世界観はSFな感じで好きなので、期待大な感じで読みはじめました。


よみはじめるといきなり戦争もののような雰囲気。

表紙と違ってそういう方向の作品なのかなーと思ったら回想だった。


物語の舞台は表題通りセドナ(太陽系外縁天体)、宇宙ものでありSFものだし、アンドロイドとかナノマシンとか出てくるんだけど、その空気はどこまでも戦後とかの近代ものみたいな雰囲気。

テラフォーミングされて人々がセドナに住んでいたのは過去の話しで、戦争の爪痕を多く残したこの星は不毛の地となっていて、その大地には多くの英霊の遺骨が眠っている、、、

随所に出てくる回想とかも含めて、けっこう右寄りな感じな記述も多いので、そういうのがダメな人はうけつけなさそうかな。


あとシナリオのボリュームの割りに本が分厚い。

語り部の特徴としてなのかもしれないけど説明がかなり過多というか二重に補足されているような部分が多くて読んでて疲れるとはいわないけど、けっこう時間かかりましたね。

でも、内容的にはサクサク話しがすすんでしまうよりも、こんくらいのペースで読ませた方が重みがでる気はする。

その成果もあってか最後は泣けた。


ゲームファン的な視点だと、じすさんが今まで作ってたゲームのちょっと緩い雰囲気(とはいえ重い所は重いんだが)とは大分違った作風に感じたので、ちょっと意外だったけど、こーゆーのも好き。

ゴロのしゃべりかたとかはすげー何かネット上でのじすさんその人っぽいんだけどねw


あとタガヤック出てきた所でミサに出てくるシルヴィアとシェイクスピア思い出した。

なんかそういう所では想起させる時があるね。

(ってか俺がSF読んでない所為で知らないだけで、もっとその更に大元になるような原型があるのかもしれないが。



SF的な設定語り的な所は上辺だけでコアな所はあまり語られないし、全体的に西部の開拓者みたいな雰囲気なのでSFが読みたい!って人には多分すすめられないんだけど、

それでも普通に泣ける小説が読みたいって人には勧めてみたいかな。

軽い方だとは思いますけどね。

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