とても不穏な空気を持った映画だった。
以前京都シネマでやっていた時に見逃してしまって、その後友人に「面白かったし見るべき!」ってすすめられて悶々としていのだけど、
この度なんと京都みなみ会館で上映するという事で友達誘ってみにいってきた。
個人的にはかなり衝撃的だったりして良かったけど、万人にすすめていいかはよく分からんねw
こういう映画に興味ある人を誘わんといかんなぁと思いました。
さて、"不穏"な映画と書いたけど、批判的な意味で書いたわけではない。
見れば分かるがほんとに"不穏"な映画だった。
物語は舞台にとっては外来者であった元教師の昔語りから始まる。
これから話すことがすべて真実か、あまり自信はない。
それでも、あの奇妙な出来事を誰かに話しておくべきだと私は思う。
あの出来事こそがおそらく、当時の我が国そのものなのだ。
舞台は第一次世界大戦前の北ドイツの美しく閑静な村。
プロテスタント系の教会を中心に厳格な空気の漂う村で、ある日から人為的な事件が起き、人々は疑心にとらわれていく。
こんな感じに書いてしまうと、ただの閉鎖された村での事件もののサスペンスって感じだけど、この作品の主役は子供達だ。
神の前に正しくあれ、「純真であれ」と強要される子供たち。
大人達は言う『世界は壊れない』と。
語り部が真実を語る自信が無いと言っていた通り、物語のラストで"あからさまな"真実は語られない。
しかし、物語そのものが既に真実を語っているとも言える。
『文学が読者の頭の中に情景を思い浮かばせるものであるのに対して、映画は、あらかじめ影像をそのまま見せるものであるため、視覚的な情報を鵜呑みにさせてしまいがちです。』
監督はエンターテイメントとしての映画を完全に否定し芸術的な映画を作っているわけではない。
物語は"不穏"でそして、面白いのだ。
何かミステリ的なテイストも強いので、ミステリを好む俺の回りの人達に向いてるかなーなんて思いますね。
最後にyoutubeに予告編を見付けたので貼っておく。
映画見終わってから見ると、公告的だなーと思うが、こういうのが日本の映画界の商業的には正しいんだろうな。
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