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いつか読書する日

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ここ数日延ばしに延ばした予定を消化するために映画見てきました。

見た作品は邦画で「いつか読書する日」。

恋愛物は基本的に見ないんだけど、これはおもしろかったよ。

愛し合う若者が障害を乗り越えて結ばれる話とか、結ばれた二人が引き離される話しとか嫌いなんだけど、これは違ったわ。

ってか50歳の恋物語ですから。

以下ネタバレ(?)あり



キャスト的にもどうなるかさっぱりわからんかった。

田中裕子と岸辺一徳とか微妙すぎる。

しかし映画を集中して見てると、50歳の田中裕子が少女見えてくる。

その役の純粋さ故にか。

岸辺一徳はというと、序盤の俳句を詠もうと失敗してる姿でツカンダ!って感じでした。

いいキャラだわやっぱり。

CMで「つまらん、お前の話はつまらん」って言われてる姿とは全然違うわ(いや寧ろ一緒?

映画は静かな始まりで、落ち着いた感じかなと思ってたら、音楽がすごい強い。

最初聞いてると普通の曲かと思うんだけど、途中でサスペンスみたいな音の使い方をする。

最初から「あぁ、落ち着いてるだけの映画じゃねぇなコレは」って印象を受けます。

そして町並みがまたいいんです。

景観は全然違うにしても、無数の階段で構成された坂で街が繋がっている。

この景色は南イタリアの海洋都市アマルフィを彷彿とさせます。

ロケ地は長崎という事でしたか、映画内では西東市という架空の町にして海を映さない様にしています。

この手の街が育つ条件(といっていいのかわからないけど)は、港に適した湾とそれに向かう所にある山が必要ですね。

やはり長崎はもう一度旅したい場所でありますね。



で、まだ映画の中身に触れてないのだけれど。

恋愛物の惹かれあう二人的な描写が前半ほとんど無く、それぞれの心境とそれぞれの状況の変化が淡々と描かれていく。

その日常の中に痴呆老人の介護やら、不治の病の妻の在宅介護、児童福祉の実情なんかが出てきたり、美奈子が序盤で作文に書いた地方の性格が出てきたり。

現代的な、社会的なお話になってます。

一人一人の人間がリアルで、考えなければならないことが沢山あっても、仕事や介護にかまけることで考えないようにしている。

ただ一人考える時間だけがある、寝たきりの病に伏せる槐多の妻、容子が死を前にして行動を起こす。

家に来てくれた美奈子と話すところなんか、鬼気迫るものがありましたね。

田中も岸辺もすごかったですけど、仁科さんの死を前にした50女性の演技もかなりのものでした。

そして、話しが進展していき二人は話しあい・・・。

人間の内面の表現にも、邦画ならではというか洋画には無い特徴的な精神病者でしたけど、

ベッドシーンの動きも、洋画にない独特なものでした。

しかしあの結末は・・・。

救いが無いわけでもなく、あの前向きなラストが救いなんだろうけど・・・。



ラストにはどうにもしっくりこない所があるけど、これは感情移入の結果であって映画としては良いものでした。

他の結末であったほうが駄作でしょう。

ラストシーンで、街を見渡す美奈子の目元が少し光ったように見えたのは、気のせいだったのかなぁ。

☆☆☆☆★

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