米澤穂信さんの<古典部>シリーズ2作目、『愚者のエンドロール』を読みました。
1作目のレビューエントリはこちら 『氷菓』を読んだ - tyoro.txt
連続して読もうかとも思ったんだけど、連作としてガスガス読むよりもそれぞれ単品で楽しみたいという思いがあったので、間に他の本を挟んでから手を出した。
ページ数は250ページとそんな薄い部類ではないと思うんだけど、印象としては前作同様短く感じましたね。
さらっと読める感じ。
(間に挟んだのが『長いお別れ』の所為もあるが)
舞台は前作同様、神山高校の古典部。
前作の後の話しとなると、冬季か2年次の話しになるのかなーと思ってたら、意外と夏の話しだった。
この学校を舞台にした物語の主軸にくるのは文化祭のようですね。
今回は小さな謎を積み重ねた前作と違って、1つの謎が軸になる。
しかも作中劇の謎を解くという、けっこうメタ的な視点の作品になっていて多重に面白い。
そして読みすすめていっての前作と大きく違いを感じたのはホータローの変化。
だと思ったんだけど、やっぱりホータローはホータローだった。
推理小説という骨子ながら、対決と成長の構図にもなっていたりして青春小説的な要素もあいかわらず備えてて熱いですね。
ついでにメタ構造なおかげで作者のミステリ観なんかも楽しめるんだと思うけど、俺はあまり熱心なミステリファンではないので、ミステリの古典作品をあまり読んでない。
もっとミステリによった知識があれば、読んでてニヤって出来そうな所あるのに勿体ないなーとも感じた。
本編の読了後に『あとがき』を読んでみても、つくづくそう思う。
まぁともあれ、さらっと読める、そして読者も悩めるミステリとして十分すぎる程に面白いので<古典部>シリーズは勧めていきたい感じですね。
現状でシリーズは5作出てるみたいなんだけど、とりあえず古典部シリーズで借りたのはこの2冊だったので、次は<○期限定>シリーズかな。
愚者のエンドロール読んだって言ったら、twitterで『さよなら妖精』と『犬はどこだ』も勧められたので、積読消化したら合わせて攻めていきたい。
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