中学に進んで、学校へ足が向かなくなった少女まい。
両親の勧めで、ひと月あまりを田舎に住む祖母の元で過した。
これは少女と魔女のお話。(第44回小学館文学賞)
魔女といっても、杖や魔法が出てくるファンタジーの世界とは違う。
学校からエスケープしてきたまいは、自然の中の規則正しい生活の中で「自分で決めてやり通す」ことで、成長していく。
この「自分で決めてやり通す」という事は、魔女だけに許された事ではなく誰もが行える事。
だけど、なかなか実行できない事でもある。
大小様々な問題事に出会いながらの生活だけど、もっと真摯にその問題と向き合うべきだと考えさせられる一冊。
それでいて、田舎の生活の細かいディティールを感じる事ができる本でもある。
草木の匂い漂う森で、綺麗な空気を吸っているような気持ちにしてくれます。
成長したまいのその後の姿を描いた、「渡りの一日」も併録されてます。
「西の魔女が死んだ」とは一転して、少しコミカルな作りになっていますが、成長したまいの魔女らしさを見て取れて面白いです。
梨木さんの本をもっと読みたくなった。誰の本読んでも、同じこと言ってるけど。
誤解は人生を彩る。
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