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中島 潔の世界展中島 潔の世界展

京都駅ビル内美術館「えき」で中島潔展をやっていると友達に聞いたので、行ってみた。

やはり素敵な絵を描く人だ。



今日は学校で履修登録があったんだけど、待ち時間が1時間半あったので龍谷大学に侵入をしてみた。

素敵な洋館が立ち並んでいたので、いつか調べてからまた来ようと思った。

その後、図書館に侵入したものの、入り口にはカードによる改札にようなものがあって入れない。

諦めて帰ろうと思ったら、美術館等の案内のチラシがあった。

ふと近づいてみると、そこには優待券なるものが!

200枚くらいタバになってて、生徒に「ご自由にお持ち帰りください」ってことなんだろうけど、あと5日しかないのに200枚も残ってる。

なんだか悲しくなった。



数日前に、友達に行って来た報告とともに存在を知らされたので、学校の友達を誘っていこうと思っていた。

おあつらえ向きに券が手には行ったので、お誘い。

しかし、・・・他の友達と行く約束をしていたようなので、あきらめて一人で見に行った。



到着して、400円の入場料。ほんとうに安い。いいの?ってくらい安い。

中に入って説明を読んでから絵を見る。

1枚、2枚目・・・で釘付けにされた。

『金魚売りの声』

魅了されてしまった。

我に返って、早々と中断してしまった絵の鑑賞を続ける。

いくつかの絵を見て、同じコーナーの絵と『金魚売りの声』との差を感じる。

見てみると、『金魚売りの声』は1979年、35歳の作だった。

周りは20代の作品。

絵を一つ一つ眺めながら、30代の作品を求めて先へ進んだ。

30代のコーナー「光」。

絵を見ていく、最初に見たのは、30代後半の絵。

色鮮やかな中に、寂しさが写る。子供達は一人だった。

絵の写る寂しさに、次第に飲み込まれてしまい、静かな気持ちで絵と対峙していた。

そして、コーナーの切れ目まで戻って反対側を進む。

そこは、30代中盤。『金魚売りの声』が描かれた頃。

再び絵の前で動けなくなった。

『忘れ唄』その絵の中に、先ほどと同じ魅力を感じた。

しばらく30代中盤のコーナーに入り浸り、進んでからも三度戻った。



先へ進む。

40代、風の時代。

画家本人が語るように、39歳は節目の年だった。

『春の夢』『夏の思い出』『風詩』『風の余韻』。

思わず微笑んでしまうような、そんな連作。

その中で異彩を放つ、『夢少女』。

色彩、構成、タッチ。全てが違った。

そして、その絵を過ぎるとまた、風に戻る。



風。

それは直接肌だけで感じるものではない。

風が揺らす木、舞い散る花びら、揺れ落ちる雪、もてあそばれる稲穂、母の髪。

風はいずれやむ。



50代のコーナー『愛』

旅をした風が落ち着いたのは、生まれ故郷だった。

旅の先で見る風景ではなく、懐かしい故郷の地。

描かれる背景のタッチが徐々に変わって行った。

しかし、故郷の絵が増えていくにつれて、40代から見えなくなっていた、絵の中に写る寂しさを再びメにするようになる。

寂しさの先に描かれていたのは、母の背中だった。

全ての寂しさと、悲しさと、喜びと、悔いのつまった。背中。

その側に展示された『初雪』。

またも衝撃が走る。35才の、あの頃の絵が戻っている。この筆使い。この表情。

再び立ち尽くし動けずに居る。

『初雪』同じ名の絵があった。35歳に描かれた絵。

足早に戻った。

母の絵が描かれた1996年。筆に大きな変化が現れる。

『絵日傘』

憂いを秘めた子供たちの周りを囲む、色彩豊かな景色。

それは、今までに無い程に動的な塗りだった。故郷に吹く風。

一面に菜の花の様な黄色い花が咲く『風の色』。

画家その人が、その絵の中には居た。そう感じた。



2000年。

色が変わる。

子供達は何かを見て、何かを探っている。

風は波となり海を渡る。

パリへ向かう画家は、次は何になるのか。



終点

1時間半の旅に出ていたような、そんな時間だった。

アルバイトがあるので、早めに早めにと進んで行ったけれど、それでも時間は過ぎて行った。

出口の販売店で絵を売っている。とても高くて手がでないから画集を見た。

4500円。これなら買えそうだったので、画集とウメ吉のハンカチを買った。

家に帰って見返していると、新しい発見もある。

ほんとうに、考えさせられる展示だった。



この美術館は今後も利用したいなぁ。

次回は。。。ジミー大西。微妙だ。

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